従来のパソコン資格は、国家資格である情報処理技術者試験に集約され、1つの資格に幅広い内容が網羅されていましたが、時代に要請に応える形で、専門分野に細分化され、資格試験の事情が、大きな変化を見せています。1990年代頃から、ワープロや表計算など、ソフトウェアベンダーが主催する技能資格試験の登場を皮切りに、ハードウェアメーカーも自社製品のデバイスの操作方法や修理について熟知したエキスパートを育成すべく、独自のパソコン資格を制定し始めました。日本国内に目を向けると、従来の国家資格の情報処理技術者試験を、ハードウェアやソフトウェアの操作技術に特化する形で残しつつ、ウイルスやマルウェアをはじめとする脅威が襲いかかる昨今のインターネットの情勢を鑑み、経済産業省が認定する国家資格のセキュリティスペシャリスト試験を新設しました。同試験は、2016年には、情報処理安全確保支援士に名称変更、リニューアルされ、より高度な技術、知識に加えて、その能力を適切に運用するための、コンプライアンスやモラルと言った意識も同時に求められるようになり、サイバーセキュリティに対応できる人材の育成が急がれています。
以上のように、1970年に制定された情報処理技術者試験から大きく時代の変化を見せています。従来の1つの国家試験で総合的な能力を示すのではなく、専門分野に特化したスペシャリストを育成する形式へと、パソコン資格が再編されて行く傾向にあり、より高度な技術者の輩出が期待されています。
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